コザクラインコの仲良し家族④子供たちのフィギュア制作のようす
つづきです。
仲良し家族のフィギュア制作のご依頼は、既に完成していた両親フィギュアの尾羽と風切羽部分を本物のご本人の羽と差し替える制作加工と、子供達のフィギュア2羽をこちらもご本人の羽を用いて制作させていただくという内容でした。今回のように完成納品済みのフィギュアと一緒に飾る新しいフィギュアをオーダーいただく場合は、以前に納品させていただいたフィギュアを一度アトリエに里帰りさせていただくようお願いしています。
並べた時の大きさのバランスや色のバランスを出来るだけ忠実に再現できる事はもちろんのこと、以前納品させていただいたフィギュアの子のメンテナンスもしてあげられます。
新しいフィギュアの子が隣に来たら、先住の子は嫉妬しますからね(笑)
先住の子が肩身のせまい思いをしないように毛並みを整え銀の足環を磨き直してあげると喜んでいるように見えます*ଘ(੭*ˊᵕˋ)੭*
子供たちのフィギュア制作は順調に進んでゆきました。(といっても納得いかないとすぐやり直ししてしまうので予定よりも時間がかかっていたのですが)
今回の兄妹フィギュア完成のイメージに使用させていただいたお写真はこちらです↓

中睦まじい2羽の様子が写された写真は他にもたくさんありました。毛づくろいし合っているものや同時にあくびしている可愛らしい表情など、制作イメージに取り入れたいベストショットばかりでした。それなのになぜこのお写真を選んだのかと申しますと、このなんとも言えない見つめ合う表情がフィギュアという特性にピッタリだったからです。生きている子は様々な表情を見せてくれます。それら全ての記憶が合わさって、飼い主さまの記憶にその子のイメージとして定着しています。対してフィギュアは動きません。これは当たり前なのですが、職人としては何とかご依頼主さまに人形・フィギュアではなく、その子がそこに居てくれるような感覚を持っていただきたいわけです。そのためには一つの動作に限定したポーズではなくて、良い意味でどうとでも取れる標準的なポーズやどうとでも解釈できるあいまいな表情が良いと職人は考えます。
たとえばモナリザという名画があります。モナリザは一見表情が乏しいように見えます。微笑んでいるという解釈もできますが、憂いていると解釈する人もいます。そのなんとも言えない表情が観る者の心に様々な想像を掻き立てます。職人はバードフィギュアもそうあって欲しいと思っています。動くことは出来ないけれど、見る人にいろんな想像をさせてしまう表情、いまにも鳴きだすのではないかと思わせる嘴、毛づくろいを始めそうな翼、幸せそうに見えることを前提に出来るだけいろんな表情に見えるように中庸な表現を狙います。
なんだか難しい話になってしまいましたね(笑)いけないいけない(๑¯∇¯๑)アセアセ
職人モモがお伝えしたかったことは、一つのフィギュアにご依頼主さまの素敵な想い出を出来るだけ沢山詰めこみたいということです。まばたきしないフィギュアのガラスの瞳でも、ご依頼主さまが見つめると色んな表情が感じられるような表現をしたい、ということなんです。職人が選んだ上のお写真はそういう表現をするのにぴったりな一枚でした。
妹おもいの優しいお兄ちゃんのお顔はこのように制作しました↓

それから、自分より身体の大きいお兄ちゃんを見上げる可愛い妹ひきちゃんは
このように仕上げました↓

微細な修正は、ご依頼主さまとメールでやりとりをしながら完成形にしてゆきます。
こうかな?こうかな?と制作して、どうかな?どうかな?とメールで写真をお送りするのですが、「まさにこれです!」という合格をいただくとそれはもう天にも昇る喜びの瞬間なのです。だれもいないアトリエでひとり「よっしゃーッ!」とガッツポーズを作っていることを制作中の子が声なき鳴き声でクスクス笑いながら見ている気がします。( ´罒`*)www